2002年、私が初めての子どもを保育園に預け復職した時、人生最大の挫折を味わいました。
何一つ思い通りにいかない現実につぶされそうになった時、私たち家族を救ってくれたのは、保育士さん達でした。
私は、子どもを預けるところさえ見つければ、出産前と同じように働けると思っていた未熟な母でした。
時に子どもより仕事が大事という言動さえあった私を、保育士さんは受け入れてくださり、根気よく寄り添ってくれました。
私を母親らしい人間にしてくださったのも、共に子育てをしてくれた保育士さん達のおかげです。
ところが、保育園を取り巻く環境はといえば、離職率の高さ、人手不足、待遇の課題、当時とほとんど変わっていません。
ママ達が安心して働き、子育てを楽しめるようになるためにも、今、現役で頑張っている保育士さん自身が、まず自分を大事にして、自分の人生を生き生きと生きてほしいのです。
親の次に長い時間接する保育士さん達自身が、子ども達があこがれるような大人であってほしい。私は心からそう願います。
「保育士」「キャリアコンサルティング」で検索をすると、転職サイトばかりがヒットしますが、私は、今、保育士さん達が生き生きと働けるために支援をしたいのです。
それが、M’sキャリアラボの保育士キャリアコンサルティング(キャリアカウンセリング)です。
私が新卒で入った会社で、ワークライフバランスの壁にぶつかった時、
一番困ったのが、誰に相談したらよいのか、どこに行けばよいのかわからなかったことでした。
病気になれば、お医者さんですが、病気ではない。
転職したいのなら、転職エージェントですが、そこまでは考えられない。
今、在職中でありながら、相談できる。それが、企業内キャリアコンサルティングなのです。
厚生労働省の「人材開発支援助成金(平成29年度)」もあり、
企業内キャリアコンサルティング(企業キャリコン)が、少しずつ浸透してきています。
これは1人に対してジョブカードを用いたキャリアコンサルティングを1度行えば、支給要件を満たすことはできますが、
キャリアコンサルティングの効果は、1回では十分とは言えません。
複数回、できれば最低3か月は継続をしていくことで、より効果をお約束できます。
これは、一人の人間が、自分を見つめ、受け入れるのに必要な期間と思っています。
実際に企業内キャリアコンサルティングを導入した保育園では、勤務時間内に、
1か月に1,2回のペースで相談を行い、クライエントとなった保育士さんには、
見違えるような変化が起こりました。
子ども達にとっても、生き生きとした保育士さんと毎日かかわることがおできるのは、大きな財産です。
そして、何より、そんな保育士さんにかわいがられるわが子を見る保護者の方が、
大きな安心を得られると思います。
保育園からみて、保護者はお客様ではないと思っています。
時に保育士さんは、保護者のすべてを受け入れるだけでなく、育児のアドバイスもどんどんしていただいてよいと思います。
かつての私のような未熟な親には、愛情を持った保育士さんのアドバイスは、大変ありがたいものなのです。
そして、親御さんとアドバイスできる信頼関係を築ける保育士さんが
一人でも増えるように、遠回りではありますが、企業キャリコンを保育園を対象に推進していきます。