先日の千葉県保育協議会の新社会人研修。
まるまる2日間、オブザーブで園長先生方も一緒にいてくださります。
休憩時間や昼休みに、園長先生方のお話を伺うのも、毎年の楽しみでもあります。
昼休み中、私がとっても尊敬する園長先生が、話の中でタイトルの言葉を発しました。
いつも聞くだけの私ですが、思わず、「それは、どういうことですか?」と身を乗り出して聞いてしまいました。
私なりに解釈すると、以下のようなお話でした。
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これまでは子どもの「主体性」というものが、あたかも子どもの内部に存在するかのように保育が語られてきたけど、「主体性」はそこには存在しない。
主体性は、その子どもと周囲の人間との関係性の中で生まれて、はぐくまれるものです。
これは、「社会構成主義」です。
人との関係性の中にしか、現実世界は生まれないのです。
だから、環境が大事なのです。周囲の人の声のかけ方、環境構成の仕方で、どう育っていくかが決まっていくんですよ。
キャリアコンサルタントでも学ぶ「社会構成主義」が、保育にも浸透している。
「主体性」という言葉があるから、あたかも体内に存在する物質や栄養素のように錯覚するけど、そんなものは存在しない。
植物の種も、外部の刺激がなければ、芽吹くことはない。
水をやり、土から栄養素をもらって、芽をだして、お日様のほうへ向かって伸びていく。
子どもも一緒。
ただじーっと子どもの中から主体性が生まれるのを待っても、そんなものは出てこない。
外からの働きかけがなければ、主体性は生まれない。
「させる保育」と「働きかけ」の境目が微妙なところだけど、保育って、奥が深い。
この園長先生は、勉強家で、伝える言葉も豊富。お寺の住職さんでもある方です。
こんなふうに自分の考えを優しく人に伝えられるようになりたいなぁ。
また次の研修が楽しみです。