こんにちは。研修講師・キャリアコンサルタントの谷口真紀です。
先日、ある場所で会った人との会話の中で湧きおこった私の中の負の感情に気づきました。
なぜこの人は私の言うことが分からないんだろう。
この人、何が言いたいのか分からない。
よく分からない人だ。
ちょっと距離を置きたいな。できればもう話もしたくない。
言語化すると、こんな感情です。
ですが、話を進めて決めていかなくてはならない場面です。距離を置くことはできません。
あの手、この手で言葉を投げかけ、引き出し、会話を紡ぎ、なんとか形になり終えました。
この時のことを振り返って思うのが、こういう負の感情が
「排除」「攻撃」という行動に向いた時、
いじめ、パワハラという現象が起こるのだろう、と。
この感情は、たぶん人間の本能的なもの。
自分と異なる存在、異なる考え、異なる属性をもつ人を危険と認識し、
排除することが生存本能で植え付けられているのでしょう。
この感情は自然なもの。否定してはいけない、否定することができない
自分の中から湧き上がった感情です。
ですが、人間は文化的な存在でもあります。
私たちはおよそ7万年前に獲得した「言葉」という手段を使って、
お互いを理解しあう姿勢を持つことができます。
これを具現化しているのが、外交や政治の世界。
話し合いを通してお互いを理解しようとし、最終的には力に頼らないで
万民が”共存”できる世界、世界の恒久平和を目的とした仕事です。
人間は、言葉を通して理解しあうもの。
言葉以外の手段を通して理解をしあうことは、できないのです。
いじめやパワハラをする人は、本能の赴くままに行動する人であり、
動物的で人間として成熟していない存在ということでしょう。
負の感情に対する力は、訓練をして身に付けていくものでもあります。
キャリアカウンセリングの考え方は、この訓練の過程でもあります。
ということで、私はキャリアカウンセリングは、
文化成熟の一助を担っていると自負して仕事をしています。
職場の風土を変えたい経営者・園長先生へ。