不定期掲載 園長先生の知恵袋シリーズです。
小学校教諭30年以上の経験をもとに、義務教育以上での学びの下地をつくる幼児教育を見つめるM園長先生。
年齢に応じた関わりを、常に意識しています。
平成30年度改定の保育所保育指針において、保育園も「教育施設」と法的に位置づけられました。
就学前における「教育」は、知識の詰め込みや型どおりに集団行動をさせるというものではありません。
小学校に上がってからの勉強が吸収できるように、その下地を作る期間です。
1歳ごろは、自分を表現させる。自己主張をする子を見守り、受け止める。
2歳から3歳になるころには、徐々に、自己主張をすることを肯定したうえで、「世界はあなたを中心に回っていない」ということを、伝えていく。
先生が話しているときに、自分の話をしはじめたら、「今は何の時間かな?」と声をかける。
普段はしっかりと話を聞く先生でも、この場面ではあなたの話は聞かないよ、とサインを出し、今は自由に話してはいけないのだと自分で理解するよう促していきます。
安心して自己表現ができるようになってはじめて、相手の言うことを聞き入れるようになるのです。
赤ちゃんは生まれた瞬間からもうパーフェクトな人間。言葉ではなく、体で、心で、刺激から学んでいるのですね。
そう考えると、「学び」は、もう生まれたときから始まっているのかもしれません。赤ちゃんは体の成長とともに周囲の刺激を常に学びに変えていく天才ですね。
保育士によるこういった「教育」は、家庭という場ではできないことですね。