保育園専門の人材コンサルティング、目的は「リテンション」。先生方が働きやすい組織をつくることです。
保育園の先生方を対象に、1対1のキャリコンと研修を始めて、5年になります。
数年にわたり関わってきた園では、少しずつ定着率は伸びています。
そして、共通する課題、対処法もみえてきました。
すべての組織に共通するとは言えませんが、少しでもお役に立てばと思い、ノウハウを公開いたします。
リテンション・コンサルティング①「裁量の明確化」
保育士さんの面談をしている時に、「組織に対する不満」「理不尽」という感情を受け取ることがあります。
ところが、1つの組織で複数階層の職員面談を実施し、組織の全体像が見えてくると、「理不尽」は「組織のルール」に従ったものであったりもします。
また、時には「組織のルール」を独自解釈した人の指示であったり、指示の受け取り方の問題であったりすることもあります。
組織という構造上、下の立場に行くほど「理不尽」のしわ寄せを受け取ってしまいます。
それが積み重なった結果、新人の離職につながります。
そういうことが良く起こる組織に共通しているのは、報告・連絡・相談の不足。
そして、「裁量」と「責任」の共通理解の不足です。
「裁量」という概念は少し難しいですね。
「裁量」とは、自分の考えに基づいて問題を判断したり、決定して仕事をすすめること。
「裁量権」は、組織から与えられる権限です。
組織運営はチームプレーです。そこに求められるのは、「社会人基礎力」にもあるチームワーク。
保育園の仕事は、チームワークです。一人でできる仕事はありません。
一人一人の「裁量の範囲」を整理することで、お互いに声をかけやすくなり、報告、連絡、相談もスムーズになります。
「組織の構造」と「裁量」を明確にすることで、組織の理不尽さに対する不満の大部分は解消することができます。
これは、保育以外の仕事でも同じです。
研修「保育者の社会人基礎力」では、実際のケースをもとに自分の裁量について理解を深めます。
リテンションと「責任」、リテンションと「報告・連絡・相談」との関係については次回以降書いてみようと思います。