M'sキャリアラボ*キャリアコンサルタント 谷口 真紀 オフィシャルサイト

姫路「わんずまざー保育園」に思う事

3月中旬、姫路の認定こども園「わんずまざー保育園」の悲惨な運営状態が

明らかになった。

 

定員を大幅に超えた受け入れ、おかずはスプーン1杯、視察がある日は子どもを休ませる、

遅刻した職員は罰金1万円、、、

 

想像を超える実態に、人間がここまでひどい事をできるのか、と

怒りを通り越して、恐ろしくさえなった。

 

クレームを言えないから、言葉を解さない乳児を中心に受け入れるという周到さ。

 

この園に自分の命より愛おしいはずの我が子を預けてきた母親達の気持ちを考えるだけで、

胸が張り裂けそうになる。

 

なぜ、こんなことが起こったのか。

 

この園だけの問題なのか。

 

違う、と思う。

 

私も見たことがある。

 

お昼寝の時に歩き回っていた子どもの頭を、布団に叩きつけるようにした保育士さん。

 

忘れられない一瞬の出来事だった。

 

夢をもって保育士を目指したはずの人たちが、なぜ、こんなことを….。

 

「守れなくてごめんなさい」「園長が怖かった」

 

わんずまざー保育園の保育士さんの言葉とのこと。

 

恐怖は、人間の感覚を麻痺させる。毎日、牢獄の中にいるような気持ちで仕事をしていたんだろうな。

 

 

それでも、彼女たちは自分の頭で考え、自分で判断し、行動しなくてはならなかったのだ。
子ども達を守るためには。

 

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これからの時代は、雇用主は、社員の人生にまで責任を持たない。

だから、キャリアコンサルタントが国家資格になった。

社員一人一人が、自分の人生に責任を持ち、自分の力で次の道を切り開く勇気を持つことを支援するために。

 

今、私は保育士を対象に、園からの依頼を受けてキャリアコンサルティングをさせていただいている。

 

私が、ずっとずっと、心からやりたいと思っていたことだ。

 

15年前、初めて子どもを保育園に預けたとき、これでいいのか?と大きな疑問が湧いた。

この園でいいのか、何を基準に判断すればいいのか。

保育士さんは、どんな思いで私の大切な大切なこの子を預かってくれるのか。

どんな保育を日中してくれているのか。

そして、大事な子どもを人に託してまで、私はこの仕事をやるべきなのか、と。

 

不安なまま預けた園では、我が子は何度も何度も病気をして、ほとんど通えなかった。

日中はずっと泣いていたそうだ。

 

次に預けた園では、まったく泣かなかったと言われた。

 

何を信じればよいのか??素人新米ママは、分からないことばかりだった。

 

ただ、唯一思ったのが、私の命より愛しい我が子を可愛がってくれる保育士さん達にも、

充実した毎日を送ってもらいたい、ということだった。

 

なぜなら、私の次に我が子が長い時間接する大人だから。

幸せな大人にたくさん抱っこされて、笑顔をたくさん向けてもらいたい。

 

恐怖におびえて仕事をする保育士さんに、大事な我が子を預けたいと思う親がいるだろうか。

 

 

仕事に対してプロ意識を持ち、自分の頭で考えて、自分で判断し、そこに向けた行動ができる

職員がいて、初めて組織は健全に機能する。

 

私に仕事を依頼してくださる経営者の方は、保育士ではない私を選んで仕事を依頼してくださっている。

こういう経営者の方がいる職場は、風通しの良さを感じる。

経営者が、職場に、職員に対して、危機感や向上心を持っている。

意識が園の「外」に向いているのだ。

 

経営者をはじめ職員の意識が「内側」に向いた時が、最も危険なのだ。

 

 

 

キャリアコンサルティングを実際に導入した園では、

クライエントとなった方には明らかに、良い意味での変化が表れてきています。

これからも、とて楽しみ^^

 

 

 

余談だが、安倍晋三首相は、「すべての女性が輝く社会」を目指している。

 

それが「子どもを預けて仕事をする女性が輝く」ということなら、

まず最初に、大事な大事な我が子を託さなければならないその保育園を、

親と一緒に子どもの成長を見守る「健全な場」にすることを考えるべきだろう。

 

政治にも文句を言いつつ、自分のできることから、少しずつでも進めていくのも大事です!

 

あまりにひどいニュースに、思いのままを書き連ねてしまいました。