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保育士リテンション・コンサルティング⑤【組織内の序列】

こんにちは。キャリアコンサルタントの谷口真紀です。

私が専門としている保育園の人材コンサルティング、目的は「リテンション」。定着支援、先生方が働きやすい組織をつくることです。

保育園の先生方を対象に、1対1のキャリコンと研修をとおして数年にわたり関わってきた園では、少しずつ定着率は伸びています。

いくつかの組織で生じている問題を紐解くと、同じ課題であったということも何度かありました。

すべての組織に共通するとは言えませんが、少しでもお役に立てばと思い、ノウハウの一部を公開しています。

保育士リテンション・コンサルティング⑤【組織内の序列】

組織の中の人間関係は、1つの大きなシステムです。

大きなシステムの中に、いくつものクラスター(かたまり)のシステムがあり、相互に複雑に絡み合っています。

システムの中で波が生じた時、それにのまれてしまうと、自分でも良く分からないまま気が付いたら誰も信じられなくなってしまったなんてことも。

女性の多い職場は、組織の序列とはまた異なるシステム(人間関係)が存在します。気が合う人同士は、情報共有も活発で、仕事でも連携しやすい。

上司や同じチームの先輩が気が合わない人だと、声がけ一つにも気を使います。

問題が生じているシステムにおいて、コンサルティングで関わる時のゴールは、問題の解決ではなく、「問題を問題ではなくする」ことです。

そこにいる人間は何も変わらないのですが、相互作用として複雑に絡まった糸をほぐしていくイメージです。

面談の中で話を聞いていくと、時折あるのが組織の序列を無視した行動の結果、信頼関係が損なわれてしまったというパターンです。

「組織の序列」とは?

一例をあげると、「パート➡新人➡若手➡ベテラン➡リーダー➡主任➡園長」

原則として相談は、すぐ上の人に。報告も、連絡も、一番身近な上司にまず伝える。

気が合う、合わないは関係なく、上司への報告・連絡は、業務の一部、給料のうちです。

特に新人のうちは、なんでも報告・相談。

すぐ上の上司が、何らかの理由で指導ができない、話が聞けない状態の時は、その上司の了解を取ったうえで別の上司に聞きに行きます。

ここで注意するのは、必ず直属の上司の了解をとることです。

順番飛ばしは、NGです。

一言断っておくと、信頼関係は維持できます。

順番を飛ばすことで問題は即解決するかもしれませんが、飛ばされた人との信頼関係が損なわれたり、後からフォローが大変になったりと、弊害の方が大きくなります。

ビジネスチャットなどを用いてリアルタイムで全職員に情報共有ができれば、信頼関係が損なわれずスピーディーに意思決定ができますが、日中は子ども達をみている保育ではそういうわけにはいきません。

報告・連絡・相談は、すぐ上の先輩または上司から。これは、身近な信頼関係を損なわず、仕事をスムーズにするため。つまり、自分のためでもあります。

「組織の序列」は、あえて教えるまでもない当たり前のことかもしれませんが、分かりやすく序列の意味や目的を理解することで、どう行動すればよいのかがみえてきます。

研修「保育者の社会人基礎力」では、新人だけでなく、すべての職位に対してこの序列という概念をお伝えし、それぞれの立場で、チームのコミュニケーションのために自分がとるべき行動について考える場をもっています。

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