M'sキャリアラボ*キャリアコンサルタント 谷口 真紀 オフィシャルサイト

保育士のキャリアデザインーキャリアアンカー

今日は真夏日の予報が出ています。
これから梅雨に入ると、また肌寒い日があったりしますね。

感染症を意識しながら学校生活、経済活動も始まってきました。

今日は、ある虐待事件報道から、なぜ私が今この仕事をしているか、
私の「キャリアアンカー」について、書いてみました。

キャリアアンカーとは、
アメリカの組織心理学者エドガー・シャインが提唱した
キャリアの選択において、自分にとって重要な指針となるもののことです。
アンカーは、船の「錨(いかり)」のことです。

どんな嵐が来ても、錨を沈めた場所から船は動かない。
自分の周りで暴風雨が吹き荒れようと揺るがない、信念。
ゆずれない価値観、大事にしたいものです。

先日、私が子育て支援のボランティアをしている自治体で、
10か月の赤ちゃんが虐待により亡くなる痛ましい事件がありました。

保健師さんは何度も訪問をしていた。
いろいろなサインをキャッチしていた。
でも、救えなかった。
亡くなった赤ちゃんには、上に兄弟もいました。
お母さんは若いシングルマザーで、生活保護を受けていた。
上の子ども達は保育園に通っていたのではないでしょうか。

この若いお母さんと接したことがある人、近所にお住いの人、
そして子育て支援に関わる人、行政の人、多くの人が
「何かできたのではないか」と自分を責めてしまっていると思います。
私にも少しその気持ちが沸き上がりました。

その気持ちを見つめる中で、私が、今保育士保育園の人材支援をなぜしているのか、
改めて、初心を思い返し思いを強くしました。

私は最前線で頑張る先生方を支援することを仕事にしています。
その目的は、追い詰められるお母さんを救うことです。
その先にあるのは「命を守る」という目的です。
この命は、子どもの命だけでなく、お母さんの命も含まれます。

それは、かつて自分と子ども達が、保育園の先生方や
地域の方、行政の方の連携プレーによって、
救われた経験から来ています。
仕事と育児の両立に悩み、勝手に自分で自分を追い詰め、仕事を辞めて保育園を
辞めようとした私に、他の選択肢を提示してくれた園長先生。
すぐに話を聞いてくれた地域の方。
そして、私と子ども達をずっと支えてくれた保育士の保育ママさん一家。
その裏では行政のシステムも役立ったと思います。

私にとっては、子どもに直接関わる保育の仕事は、キャリアアンカーではありません。
最前線の先生方を支えることでその先にある命を守ることが、
私にとってのキャリアアンカーです。

だから、保育園での虐待事件の報道などを見ると、
体の中を一瞬にしてアドレナリンが駆け巡ります。
理屈ではなく、当事者意識で考えてしまう。

心が動く大きな経験をしたことがある人、挫折を経験したことがある人は
同じような状況を見ると、体の芯が熱くなる。
インターネットで、気が付くとよく検索するキーワードがある。

キャリアアンカーは、大きな経験をしたことがなくても、
なぜか自分の心が動くもの、興味関心を持つものであったりもします。

保育の仕事を志した先生方、自分の”キャリアアンカー”を改めて
言葉にしてみることを、お勧めします。
言葉にすることで、錨のように確かな手ごたえのある思いになります。

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