M'sキャリアラボ*キャリアコンサルタント 谷口 真紀 オフィシャルサイト

私のワーキングマザー生活①

15年前、初めてママになって、それから数か月後、初めて働くママになった。

 

育休中に9・11があった。

 

慣れない子育てで昼夜逆転していたあの日、私があの場面をテレビで見たのは真夜中だった。

 

首も座らない赤ちゃんを抱っこして、テレビをつけたまま眠ってしまった

夫を起こそうとした時、そこに映った映像がいつもと違うことに気付いた。

何度も何度も同じシーンが繰り返されていたが、何度見ても、

映画のようにしか見えなかった。

しばらくじっと見ていたが、結局何が起こったのか分かったのは

夫が解説してくれた後だった。

 

それぐらい、現実味の無い出来事だった。でも、現実だった。

 

あの後世界が変わったと言われた。アメリカでは、パラダイムシフトが起こったと言われた。

(※パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化するこという。 パラダイムチェンジともいう。wikipediaより)

 

私の人生で最も大きなパラダイムシフトは、産後の生活だった。

それまで当たり前のことと思っていたことが、当たり前ではなくなった。

それまでの私の人生は、自分の意思で自分の行動を決めその通りに行動し、

失敗も成功もすべて自己責任と信じて生きてきた。

ところが、出産後小さくふにゃふにゃの暴君の意思に支配された。

生理的欲求(トイレ)さえままならなくなる生活なんて、想像したこともなかった。

 

夫はと言えば、家にいるときは、文字通り奴隷のごとく暴君に尽くしていた。

が、そもそも、家にいない。

私はと言えば、かわいいかわいい暴君とまる1日二人っきり。

育児休暇も3か月が過ぎるころには、夫は私に「早く仕事に復帰してくれ」と

本音を漏らすようになった。

深夜疲れて家に帰ってきて、さらに機関銃のように妻のトークを浴び、

とどめに夜泣き。

 

あの頃は夫への不満で常にイライラしていたが、今思えば、夫も本当に

大変だったと思う。

 

2人とも初めての育児で、不器用に子育てをしていたんだなぁ~。

 

ただ、この時は、私が仕事に復帰さえすれば、元の生活が待っていると

本気で信じていた。多分、夫も。

 

本当におめでたかった。

 

私の中のパラダイムは、もっと大きく変化していかざるを得ないぐらい

の「苦境」が、復帰後に待っていたのであった。

 

(つづく)

 

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